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秋田の甲子園

 朝日新聞によれば、秋田市さきがけ八橋(やばせ)球場の整備を30年超、担当するのは、秋田市職員の佐藤雅之さん。県立角館の投手として、2回戦で敗れたが、この大舞台を堪能した。試合が終わるたびに球児たちと丹念にグラウンドを整える。

 独自大会は、太鼓などの鳴り物は禁止で、大声を発する応援もできない。優勝しても甲子園に行けない。そのせいか、試合に敗れた3年生たちは負けて泣き崩れることもなく、試合ができて満足、区切りがついたようなすがすがしい表情だという。佐藤さんは、そうした3年生の気持ちを理解し、「試合のない寂しさに比べたら、大敗でもプレーできた方が何倍もうれしい」と、甲子園に手の届かぬまま野球を終える大多数の球児たちを思う。そして、野球以外の部活動に打ち込む高校生にも思いは広がる。晴れ舞台をかみしめ、力を出し切る。部活らしい部活の卒業の仕方に、部活の原点を確認できる。来年夏の大会で佐藤さんは、どんな感想を語るだろうか。

 第101回選手権秋田大会〔2019年〕で45年ぶりに優勝された秋田中央〔旧:秋田市立〕の監督は、名門・秋田の3年で内野手として頑張る長男との親子対決を望んでいたが、共に早々に思わぬ敗戦。すでに秋田を卒業した長女も在学中は、父親のもとでマネジャー。在学中に秋田中央に異動した父親と離れたが、母親は「秋田で1校より、親子で2校にわかれた方が、甲子園出場の確率は高まる」と意外な反応を示したという。伝統的にフェアプレーで有名な秋田大会、今後の熱戦を期待したい。

蛭間俊之