中村紀洋選手が本塁打を連発して、上宮を決勝で破って初の甲子園出場を果たした大阪府立渋谷(しぶたに) が7月25日〔土〕に初戦を迎えるが、電動車いすでの生活を送りながら、硬式野球部に入部し、ボール拾い、走塁のタイム計測、グラウンドの水抜きなどに頑張った3年の中川慶人君が元気な声で仲間を励ましてきた。12人の3年生の中で、試合には出られないが、ベンチにいて当たり前と思われるまでの努力が高く評価されて、背番号15番でベンチ入りすることになった。渋谷ベンチから彼の大きな声に拍手を送りたい。

　7月26日〔日〕に初戦を迎える滋賀県立伊香も、春夏通算5度の甲子園出場を誇る名門だが、電動車いすのマネジャー・山本陸君も3年生。伊香は校舎とグラウンドの間には段差があり。練習の際は部員数人がかりで車いすごと持ちあげ、行き来する。球を持ち上げる練習を自宅で繰り返して、1年かけて上達し、外野フライの練習時だけ、ノックの手伝いを担当する。山本君はパソコンで部員の打撃成績などを入力してきた。昨年秋、強豪私学を完封したような堅守でチームワークの勝利を祈りたい。

蛭間俊之