全国の高校3年生の野球部員に贈られた「甲子園の土」がネットのフリーマーケットに出品された報道に、第7代プロ野球選手会会長・新井貴浩さん〔県立広島工→駒澤大学〕はこう激怒された。「自分がやられて嫌なことは人にはしない」「自分が言われて嫌なことは人には言わない」全国の球児たちに届けられたのは、単なる「土」ではなく、「願い」や「祈り」という一番大切にしないといけないものである。野球を通じて何を学んできたのだろう。

　全国の高校野球の教育現場で、さらには大学野球界でも教員を志す学生たちを集め、リーグ戦と並行してディスカッションを実施する野球部も出てきました。『3年B組金八先生』で大宰府の出張土産に金八先生がクラス全員に配った「梅ケ枝餅」の何個か校内のゴミ箱に捨てられていた、という話がありました。金八先生は人の善意を冷笑する行為を鋭く指摘し、ぐっと中学生の「心」に迫ったのです。全国の教育現場では、早くも学級通信、学年通信、さらには校長通信を準備されているようです。

蛭間俊之