「ぼちぼちいこか」
10月9日〔金曜〕にご逝去された天理高校・総監督の橋本武徳さんは、第68回選手権大会〔1986年〕と第72回選手権大会〔1990年〕と夏の甲子園2度優勝のまさに「名将」だが、サンケイスポーツのコラム「甘口辛口」によると、「野球をやってきてあんな人に会ったことがない。自由にやらせてもらえるのが衝撃でした」と、1990年優勝当時のエースは13日の告別式で語ったという。1986年初優勝時の主将で、現在の監督・中村良二さんも「大半任せてくれた」と思い出を語り、「今は言っておいて任せる。選手が成長してくれて『好きにしていいよ』を継承したい。自分たちで物事を考えないと強くならない。それを手伝うのが監督だと思う」と、17日〔土曜、京都〕に開幕する無観客の近畿大会に挑むスタンスは明確だ。
天理高校の球場バックネット裏の本部室には、橋本さん専用の椅子とスコアブックが置かれているという。「いつでもお越しください。橋本先生、ぼちぼちいきましょう」と中村監督の弔辞は締めくくられたという。いつか本部席にご挨拶にお伺いしたいと思う。
蛭間俊之