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白球キレ出す 魔法の道具

 少し前の記事だが、10月12日〔月〕の朝日新聞夕刊に、「富山県の指導者が考案 大ヒット」と見出しがあり、都市対抗野球大会〔2006年〕で社会人優勝経験をお持ちで、今は高岡市で野球教室を運営される藤田剛士さん〔高岡向陵→富山国際大学→TDK〕が、3年ほど前から肘が下がり、腕だけで投げる投げ方が多い子どもが「肩や肘に負担がかかってケガをする」と危惧して、紙飛行機をヒントに、力まず前で離す感覚が投球に生かせると思い、練習道具を考案された。

 2019年春に紙飛行機とボールを合わせることから開始し、羽根の形などを工夫。『藤田棒』と名付けた。2019年秋にTDKの先輩の津田竜一さんらに『藤田棒』を使う教室の子どもの動画を見せると、子どもたちの変化に驚いた津田さんが自分で使ってみて、「引退したのに、現役当時の感覚が蘇った」と実感。

 2020年2月、『キレダス』の名で津田さんが経営する会社から発売されると、注文が殺到。約2万個を売り上げ、日本や台湾のプロ野球、高校野球の強豪校でも使われている。「うまく投げられない人ほど伸びしろがある。感覚をつかめず野球生活を終える選手もいる」という藤田さんの願いは、野球界に貢献しているのは間違いない。ぜひ、お会いして苦労話をお伺いしたい。

蛭間俊之